「ショーシャンクの空に」(1994、米) 2017/08/11 20:13

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Azla Azla の投稿

日記と二重投稿です)

 

原題 "The Shawshank Redemption"。

原作は、Stephen King, "Rita Hayworth and Shawshank Redemption"

「刑務所のリタ・ヘイワース ー春は希望の泉ー」。

 

公開当時には「フォレスト・ガンプ」や「スピード」等に埋もれて興行成績は今ひとつだったらしい。実は私も、「無実で投獄された人間が苦難にもめげず生き抜く話」と聞いて、重い話は見たくない、と先送りしていた。先日、アルコムで、ぜひ見るべき映画だとのご案内をいただき、機会をうかがっていたところ、飛行機の小さな画面でやっと果たしたものである。

結果、重い話とは思わなかった。むしろ痛快。上に書いた2作よりも面白かった。今や評価は上回っていることにも納得だ。そして何より、Tim Robbins 演じる主人公の人間性が素晴らしい。

人付き合いはよくないが、希望を失わず、冷静沈着。プロフェッショナル。そして、自己肯定感というか、自尊感情というようなものからくる毅然さに惚れぼれする。

具体的に書くと(以下、原作を読んで確認した部分が有ります)、刑務所へ入所する前、銀行の信託部門の責任者だった経験を活かし、資産運用の専門知識で所長を初めとする看守たちの信頼を勝ち得る。例えば:

●遺産相続に伴う税金について
看守に、配偶者贈与非課税制度のことを案内する。日本でも配偶者間の居住用不動産の贈与税が2000万円まで非課税だが、それに似た制度のようだ。まるで、 銀行家が顧客に話すように、自信に裏打ちされた対等な態度で。と書くと普通だが、受刑者と看守との間ではあり得ないことなので、たいへんな叱責と懲罰を受けそうになるが、結局は前代未聞の褒美が貰えることに。

●教育資金の信託について
映画では、子供の教育資金を信託することについてある看守の相談に乗ってやってほしい、と軽く語られるだけだが、原作では、その結果かなり儲けさせてやったことになっている。信託というのは信頼できる人に資産を預けて管理させる制度で、それだけでは儲けるとは限らないものだが、おそらく、利回りのいい投資ファンド等へ運用したのだろう。なお、アメリカでは相続が発生すると面倒極まりないことになるが、信託は、その手続きを回避できる'will substitute' の一つとしても、よく使われている。

あまり書くとネタバレになるので、原題にある、'redemption' について書いて終わりにする。

償還、買戻し、贖罪。動詞は'redeem'。コアな意味は、「埋め合わせ」といったところだろう。

債券などに運用している資産を換金することと、刑務所というところが罪をつぐなうための施設であることとを掛けている。おっと、主人公は無実なのに?私の解釈では、主人公の場合は罪をつぐなうというより、刑務所で無駄にした人生を取り返す、という意味になるように思う。主人公は出所後の夢を語ってこう言う:"That's all I want from my life now, ...I don't think that's too much to want."

主人公以外の登場人物については通常の意味の贖罪かも知れない。Morgan Freeman 演じる語り手は若い頃重大な罪を犯している。他の受刑仲間も刑務所の所長も、皆、罪深い。

語り手の罪はあがなえたのか。希望を語る主人公に、希望は苦しみの元だと諌めていたが、二人が互いに支え合っていたのは間違いない。私はこの語り手の人間性も、弱さも含めてとても好きだ。

邦題、少し残念だが、'redemption' は訳しにくい。
「ショーシャンクの埋め合わせ」
んー、なんかやっぱり変。


ブラボー(18

コメント (6)

greenbeans
greenbeans
2017/08/11 20:26
当時映画で見たよ〜!
人気無かったかは記憶にないけど、感動した、というより、良かった!って思いました。(^^)
Azla
Azla
2017/08/11 20:38
greenbeansさん、ありがとうございます。
当時見たとは、さすが、お目が高い。
もっと早く見るんだったー!youtube に full version があったので(権利関係調整済みなのかどうか不明だけど)いつでも見られる!また見ます!
YOSHI-san
YOSHI-san
2017/08/12 09:56
2番館でみました。(製作年代に隔たりがありますが、炎のランナーといっしょだったような気が?)
Azla
Azla
2017/08/12 10:07
YOSHI-san さん、ありがとうございます。
逃げるも走るも"run"、という企画だったんでしょうかね?!
greenbeans
greenbeans
2017/08/12 15:02
今、アマゾンビデオでも見れますね。
スティーブン・キング好きなんです。ハズレもあるけど。
Azla
Azla
2017/08/12 16:04
この映画の原作は短編集"Different Seasons"「恐怖の四季」の一つめで、すぐ後にあるのが"Apt Pupil"「ゴールデンボーイ」です。まだ読んでいる途中ですが、一転してこちらはバッドエンディングになりそう...。このほうがスティーブン・キングらしいのかも知れませんが。映画化もされているようです。
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