ノルウェー話あれこれ 2009/05/18 16:58

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羊飼い 羊飼い の投稿

トピにまとめるほどではないけれども、自分の胸の奥にしまっておくのは残念だなぁと思うノルウェー話ありませんか?

例えば「ノルウェー語を勉強すると、他の北欧語が理解できるようになる」ってほんと?とか。

ノルウェークラブのマネージャーさんのFroskさんの運営する夢ネットというサイトにたまたまこの話が出ていたので興味深く拝読。

転載すると

北欧言語審議会(Nordisk språkråd)の調査によると、ノルウェー人、スウェーデン人、デンマーク人、フィンランドのスウェーデン語を母語とする人々を対象に、それぞれ隣国の言葉をどの程度理解できるかテストした結果。。。
1.ノルウェー人
2.スウェーデン人
3.フィンランドのスウェーデン語母語の人々
4.デンマーク人

という結果になったそうです。いつも日陰のノルウェー人、おめでとうございます!
デンマーク人がビリという結果は、十分納得できますね〜。
あと、スウェーデンではブークモールよりニーノシュクの方がより理解度が高く、デンマークではブークモールの方が理解度が高かったという結果も、うなずけます。

私はそもそもノルウェー語では書き言葉に ブークモールとニーノシュクという二つがあることを初めて知ったのでした。(wikipediにも二つあるけど、なんだろーと思っていたところだったのでここで合点がゆきました。)

これに関連する話としては下のほうにこんなくだりもあったのであわせて転載&ご紹介しておきますね。

「北欧3カ国語で読むストリンドベリイの赤い部屋(第1章〜第3章)」(古城健志編著、大学書林刊 ISBN4-475-02445-5)。
長いタイトルですね。。。でも、内容を見事に表現してます!(←少なくとも「語学王」よりは。。。)

本書は、タイトルが語っている通り、スウェーデンの作家オーギュスト・ストリンドベリイ(August Strindberg)の小説「赤い部屋」(Röda Rummet、1879年)のテキストを、オリジナルのスウェーデン語にノルウェー語、デンマーク語の翻訳テキストを並べています。さらに、古城氏の日本語訳も付いている「痒いところに手が届く」本作りとなっております。

と書いてもイメージが湧かない方のために、冒頭部分を引用してみましょう(s.2−3)

スウェーデン語:Det var en afton i början av maj.
ノルウェー語  :Det var en aften i begynnelsen av mai.
デンマーク語  :Det var en aften i begyndelsen af maj.

日本語     :五月はじめの夕方だった。

似ているようで微妙に違う3カ国語。日本語だけ浮いてますね〜。
書いてみるとノル−デン語が近いですけど、発音してみると、ノル−スウェ語が近くなると思います。
今度は会話部分を見てみましょう(s.32-33)。

スウェーデン語:Inte? Nå, så gärna som vi tala om något annat, så.
ノルウェー語  :Ikke det? Nå, vi kan godt snakke om noe annet.
デンマーク語  :Ikke det? Når vi nu alligevel taler om noget andet.

日本語 :恐ろしくないかですって?ええ、他の何かのお話しをするのと同じですよ(注:直訳でない部分あり)。

「話す」という単語が、スウェ語とデン語ではtale、ノル語ではsnakkeになっていることがわかります。

一読した感想ですけど、「デン語とスウェ語。似ているといえども、違いはいろいろある。やっぱりちゃんと勉強しないと、ダメ」でしょうか。
しかも相当、勉強しないとダメそうです。しょんぼり。いっそ、アイスランド語かな〜(←もっと難しい!)。
いずれにしても、3カ国語の違いが再認識できる内容といえるでしょう。

最後にストリンドベリイについて。
芥川龍之介の作品で度々引用されていたり、森鴎外が翻訳したり、ムンクが肖像画を描いていたり。「名前だけは聞いたことはある」人、多いと思います。「令嬢ユリー」(または「令嬢ジュリー」)が有名ですね。
私はそれほど作品も読んでないし、詳しくありませんが、イプセンと並んでストリンドベリイは「上司にしたくない有名人ナンバーワン」でしょうか。だって、カミソリのようにコワイですよ、この人。
「赤い部屋」の中では、スウェーデンの役所内部や官僚制度を描写した件がありますが、まさに「ザ・辛辣」
作品を鑑賞するだけならば良いのですが、身近にいたら一日に10回は泣かされそう。でも作家は、それでいいんですよね。

こんなに長くなくていいので、何かシェアしたい話があったらご投稿下さい♪


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コメント (11)

eriko
eriko
2009/05/18 17:09
素晴らしい投稿をありがとうございます。

母国語ではありませんが、一応スウェーデン語で日常を暮らしている私でもノルウェー語の理解度はかなり高いです。というのも発音が似ているからなんですよね。

デンマーク語は読めばわかるけれど、あと、うまくいけば(笑)聞いても理解する事はできますが、正直難しいです。

上の「話す」という単語ですが、スウェーデン語にも
snacka(話す)という単語は存在します。デンマーク語にもあったはず。もちろんtala(話す)も使います。

3カ国語、似すぎているので同時に勉強するのはあまりお薦めできません。1カ国語を取得して、聞き取りだけ2カ国語できるようになるのがいいかと思います〜 どなたか挑戦される方いらっしゃいませんか??
marop
marop
2009/05/18 18:57
羊飼いさん
いつも詳しい情報をありがとうございます☆
北欧言語審議会の調査の結果、ノルウェー人がトップというのは意外でした(ノルウェー人の方、ゴメンナサイ)。

erikoさんにもお聞きしたいのですが、これらは同じゲルマン語系のドイツ語にも似ているのでしょうか?結婚してスウェーデンに住む友人は、元々ドイツ語ができたので、スウェーデン語も入りやすかったみたいです。それにしても似ている3ヶ国語を同時にというのは混乱しそうです。スペイン語とイタリア語とポルトガル語(これはちょっと違うかな?)あたりを同時進行でやるのと同じ感じでしょうか。やっぱり1つずつマスターしていった方がよさそうですね~
eriko
eriko
2009/05/18 19:11
maropさん、「音」は全くと言っていい程似ていません。単語などはドイツ語とスウェーデン語、かぶる部分があるので書き言葉は勉強していなくても理解はできるのでしょう。

ドイツ人に言わせると「読めばわかるし、だいたい理解はできるけど話すのは英語の方がラク」とのこと(ちょうど2週間程前ドイツ人の留学生と話をする機会がありました)

スウェーデン人の私の相方に言わせると、聞いたり話したりはできないけど、読めばだいたいわかるとの事でした。でもノルウェー語やデンマーク語を理解できる程、ドイツ語は理解できないようです。結局は違う言語なので。

そういえば、この前大学のクラスで「ノルウェー語、デンマーク語、スウェーデン語は「言語が違う」とのレベルでは話ができない。3つの違う方言、という定義の方がしっくりくる」と先生が話をしていました。
スペイン語とイタリア語、ポルトガル語と状況は似ているでしょうね。100%理解はできないけれど、内容はわかる、という。

ノルウェーのトピなのにスウェーデン語の事を多く書いてしまいました。ごめんなさい。
しまたか
しまたか
2009/05/20 23:43
えぇ~!?
スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語ってのがあることすらちゃんと知らなかった。まあ、本当に知らなかったの?どっかで聞いたことあるでしょって言われたらそんな気はするけど、、程度な。恥ずかしい限りです。
羊飼い
羊飼い
2009/05/21 18:39
Erikoさんにスウェーデン語との違いなど聞けて楽しかったです。コメントつけてくださったみなさまありがとうございました♪

あのあと夢ネット読んでてみつけたおもしろいなーと思った表現。

http://homepage2.nifty.com/norway-yumenet/framekultur.htm

の中にある「ブタに真珠 Perler for svin」という本の紹介をご覧ください。

 「子ども向け」の本で、楽しいイラストを見ながら、言葉のもつ不思議さ、面白さに触れて、言葉の世界に親しめる内容になっていいるとのこと。ノルウェー語なので楽しめないのが悔しいなーと思って読みました。

 例えばこんなくだりを読むと、他のところも読みたくなるんですよねー。

>直訳すれば、「きゅうりの時間」を意味するagurktidという単語。最初に聞いた時には、??と思いました。意味は、「夏枯れ」。つまり、夏休みでニュース不足状態を指す、というのは後で知りましたが、その由来は「ほとんど水分でできたきゅうりのように、中身がないってことね」と一人で納得していました・・・。

>本書に、「きゅうりの時間」は、文字通り「きゅうり」に「時計」が描かれてました。

>巻末には、それぞれの単語・イディオムの意味と簡単な由来が載っています。ドリルの答え合わせみたいで面白いのですが、それによるとagurktidの由来は「夏休みでネタの少ない新聞が、きゅうりの長さはどれくらいか(といった瑣末なこと)を書かざると得ない状態」とありました。

>「ニシンのような死」død som en sild、ってミステリー小説のタイトルにもなり得ないような・・・。意味は、「完全に死んでいる状態」だそうです。これに相当する日本語って何だろう?「マグロ」じゃ違うよね~、なんて考えながら読むのも一興です。

>ノルウェーの本にしては珍しく、日本人受けするイラストだと思います。ここではご紹介できませんが、タイトル名のリンクをクリックすると、本書からのイラストが少し覗けます。Klikk!

誰かチャレンジしてみてくださーい。
羊飼い
羊飼い
2009/05/22 23:56
今日たまたま流れてきたメーリングリストにどこかで見た名前があるぞ・・・と思ったら、上記のヘレーネ・ウーリさんでした。

上の本よりも古い著作で1995年に原著が出ているのですが、日本語で読めるというのがいいなと思ったのであげておきますね。

書名は『金曜日のアンナ』(大修館書店刊行)で言語学の入門書。対話形式で主人公が言語学について学んでいくストーリーとなっているそうです。

『金曜日のアンナ』の主人公オスカル少年は小学生であり、『ソフィーの世界』言語学バージョンといったふうだとか。ちなみにアンナというのは金曜日にビョルン・オスカルの家にやってくるベビーシッターの大学生アンナ・ノーメンさんのことらしいです。

「言語学の入り口だけではなく、北欧への入り口ともなっているのが、この本の魅力であると思います」とはMLにあった読者の弁。

翻訳をされた福井信子さんは、北欧児童文学の翻訳家として有名な方なのだそうです。

書店のサイトに目次の他に訳者前書きの抜粋も出ているのでどうぞ。
http://thistle.est.co.jp/tsk/detail.asp?sku=20883

目次のみ貼り付けますね。
主要目次: 1 アンナとの出会い…プロローグ
2 バイキングのことばはどうしてわかりにくい…ことばは変わる
3 発音どおりに書かないのはなぜ…文字について
4 いろいろな言語があるわけ…印欧語について
5 2種類のノルウェー語があるわけ…ノルウェーの言語事情
6 ことばはどんどん旅をする…外来語と借用語
7 ことばを使うのは何のため…言語の役割
8 限られた材料で無限の表現力…言語の構造
9 何語を話すかで世界も違って見えるの?…言語の相対性
10 子どもはいつごろ話し始めるの?…言語の習得
11 人間は習わなくても話せるようになるの?…言語の生得性
12 左脳は学者で右脳は芸術家…脳について
13 バナナ泥棒に出会った…動物と人間のちがい
14 アンナは誰?…言語とは

それと、上記にある夢ネットにはHelene Uriさんのウェブサイトへのリンクがあったので改めてみてみたら、the University of Oslo で言語学を教えていたのを2005年に辞して執筆業に専念したのだそうです。

と、ここまで読んで、「前に夢ネットのどこかに『天はニ物を彼女には与えた』と紹介されていた人のことだとようやく思い当たりました。

確かに彼女のサイトの写真を見てもとても魅力的な人に見えます('-'*)
羊飼い
羊飼い
2009/05/23 00:00
Helene Uriさんのウェブサイトのリンクを張り忘れちゃいました(^o^;
http://www.heleneuri.no/english.htm

ついでによく読み直したら、夢ネットのどこかに、と書いた話が、ここのもうすこし下のほうにあるのを発見・・・w

私と同じで斜め読みで素通りしてしまった方のために転載しておきますね。

----------------
「言葉とは何か Hva er språk」
  (ヘレーネ・ウーリ Helene Uri著、Universitetsforlaget、2004年)

Hva er spraak

「~とは何か」シリーズの1冊。ポケットブックサイズで、約150ページ。コンパクトで持ち運びやすく、値段もノルウェーの本にしては手ごろ(149クローネ)。

著者のヘレーネ・ウーリは、「金曜日のアンナ」(福井信子訳、大修館書店)が邦訳されているオスロ大学・言語学科の先生兼作家である。
言語学者とは思えない可愛らしいルックスが、表紙写真。「天がニ物も三物も与えた例」、と言えよう。

本書は、以下の3部構成である。

*

「昨日」….言葉の成り立ち、語系、言葉の変化について
*

「今日」….どうやって子供は、話せるようになるか?言語間の違い、新しい言葉を学ぶ方法
*

「明日」….外国語からノルウェー語への影響、方言・ブークモール/ニーノシュク、スカンジナビア諸国間のコミュニケーション、ノルウェー語の未来

「昨日」と「今日」については、ノルウェー語のみならず、他言語についても引用が多くなされている。

だが本書で一番面白いのは、ノルウェー語および他の北欧語についての言及が多い「明日」だろう。
ノルウェーの複雑な言語事情、公用語ブークモール(使用率90%)とニーノシュク(使用率10%)の関係性については、今まで数え切れない討論、論文、政治的議論がなされてきた。
外国人にはややこしいこと、この上ない。
ウーリの文章は明快だ。「ニーノシュクのための闘ったり、またニーノシュクに反対するため闘う人はいる。だが、ブークモール賛成・または反対の闘いは存在しない。ブークモールの地位は確固として安定している。ブークモールを守るための闘いは必要ではないのだ」

「ノルウェー人、デンマーク人、スウェーデン人の相互コミュニケーション」について著者は、やや悲観的だ。従来言われてきたような、それぞれの母国語を使った意思疎通が当然と思われていた時代から、英語を介在する傾向が強まっているという指摘である。
ウーリ一家のデンマーク旅行での体験、「Sorry, we don’t speak Swedish」とデンマーク人に何度か言われてしまったエピソードが引用されている。

漠然と「言葉」に興味のある方、ノルウェー語を学習されたばかりの方にも、お勧めの1冊です。

蛇足ですが、本書の謝辞を読んで、ヘレーネ・ウーリが新井素子または「コバルト系」に近いのかな、と感じました。
「~に感謝しています」と感謝を捧げている人物名が、延々と続くから(最後は、自分の子供です)。

NB!
アフテンポステン紙(05.07.09)にウーリさんのインタビュー記事がありました。それによると、彼女はオスロ大学の職を辞したそうですね。明言はしていませんが、学内の争いごとに疲れたことが原因のようです。そして小説家として来年ごろ、「大学を舞台にした小説」」を執筆予定とか。今までの「かわいらしい」作風とは打って変り、学内の権力闘争、同僚たちの嫉妬心や羨望心などを描くそうです。
ノルウェー版「文学部 唯野教授」に期待しま~す。
ぴーなっつ
ぴーなっつ
2009/05/23 00:10
ノルウェーじゃないですけど、デンマーク人の知り合いが「ドイツ語はデンマーク語に似てるから理解しやすい」と言ってました。文法とか単語が似てるみたいです。
羊飼い
羊飼い
2009/05/24 20:21
ドイツ語とデンマーク語ですか。違う言葉が比較的簡単に習得できるのは楽しいでしょうねぇ・・・(^-^)
Mayabuta
Mayabuta
2009/07/30 12:31
へえ、中国語の新聞を日本人が読んでなんとなく理解できるのと同じですね。
それこそ「音」はぜんぜん違いますけど。

ドイツとデンマークは隣り合わせですもんね。
ドイツに住んでる友人はオランダ語を聞いてるとなんとなく
言ってることがわかる、と言ってました。
みだれ髪
みだれ髪
2009/08/08 14:43
ノルウェー語というものがあることすら知らず、どんな言葉かな?と思ってトピを読み、スウェーデン語やデンマーク語との相違など、詳しく説明されていてよくわかりました。
皆さんのコメントもそれぞれ納得です。スペイン語、イタリア語、ポルトガル語の関係や、日本語と中国語の関係との比較など。
やはり、あまり似ている言葉を同時に勉強するのは混乱するかもしれません。
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