(4) 語源: turbo, turbine, turbid, turbulent, disturb, perturbation, turmoil, mollify 2017/03/14 13:48

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(本日の書き下ろし)

語源については僕は18歳のときから42年ものあいだずっとこだわり続けてきた。だから語源や、英単語に似た欧州諸言語の語彙との関連性について話をし始めると、僕は止まらない。

今回は、perturbation という単語に出っくわしたので、それについて述べる。

As they were seated at Aunt Juley's breakfast-table at The Bays, parrying her excessive hospitality and enjoying the view of the bay, a letter came for Margaret and threw her into ★perturbation★.

(E.M. Forster "Howards End," Chapter 18)
http://www.gutenberg.org/files/2891/2891-h/2891-h.htm

上記のような一節に、僕はいま読んでいる小説 (Howards End) で出っくわした。perturbation なんていう単語は見たことがあるかもしれないが、いまだにその意味を知らない。僕がこよなく愛する辞書 POD を見てみた。

★perturb
make someone anxious or unsettled
ORIGIN: Latin (perturbare)

★perturbation
anxiety; uneasiness

(Pocket Oxford English Dictionary, 11th Edition, 2013)

さて、perturbation というのは上記の小説の文脈では、anxiety; uneasiness という意味だということはわかった。しかし、これをいつまでも覚えなかったら、これが次に出てきたときにまたもや辞書を引かないといけない。これでも僕は48年ものあいだ英語に命を賭けてきたんだ。いい加減にこの程度の英単語くらい覚えられなくてどうするんだ?

60歳にもなると、絶望的なほど体力や気力や知力が衰えるので、棒暗記がますますできなくなる。僕はただでさえ子供の時から記憶力が平均以下だったようだ。だから12歳のときから、単語を覚えるときには1つの単語につき100回ずつ大声で唱え、ジェスチャーでその単語をイメージし、同時にそれを100回ずつ書いていた。100回も書いてるのに、それでも忘れることがよくあった。そのときには、さらに100回も書く。合計で200回もそんなことをする。

それはともかく、現在の痴呆症一歩手前の低い暗記力では、perturb, perturbation の意味をこのままでは暗記できない。そこで語源知識が活躍するのだ。

現代の日本語ネイティブが使える英単語の語源知識を手に入れる最も詳しくて権威のある道具を二つ挙げよと言われれば、次の二つが挙げられる。

(1) 研究社「英語語源辞典」(寺澤芳雄)
(2) The Oxford English Dictionary (OED) -- つまりつい最近までは全20巻(2万ページ)にも及ぶ英英辞典の語源欄。ただし今では、3万円くらいで 2007 年くらいまでの情報が詰まった CD-ROM 版が買える。さらには、OED Online に年間で4万円ほど支払えば、上記の CD-ROM 版よりもさらに新しい情報を盛り込んだ(そして3か月に一度どんどん更新され続ける)OED の辞書がオンラインで使える。僕は、この OED Online に4年くらい前からずっと加入している。

さて、上記の (1) の研究社「語源辞典」をあちこち見てみると、次のようなことがわかる。

(3) (Old) French (つまり中世フランス語から現代フランス語にかけて) では、perturber
(6) Latin では perturbare (ペルトゥルバーレ) (= to confuse)
(7) 上記の単語を分解すると、per- (= 完全に) + turbare (= to confuse)

さて、この turbare (トゥルバーレ) は、僕らがよく知っている turbo, turbid (濁った), turbine, turbulent と語源が同じなのだ。turbo や turbine は、中にあるインペラー(羽根車?)がぐるぐると回って液体を混ぜて濁らせるわけだ。

さらに turbid (濁った) や turbine などは、turmoil という単語にも結び付く。研究社「語源辞典」によると、turmoil は turbulent (激動の) と moil (?) とがくっついたものかもしれないと書いている。moil というのは(中型の辞書には載っていないが)、古くは「濡らす」という意味だったそうだ。

そしてこの moil という英語は、フランス語の mouiller (= to wet, moisten) とつながる。さらにこれは、ラテン語の mollis (= soft) とつながるのだ。そしてそのラテン語は、現代英語の mollify (= to make someone feel less anxious or angry) という単語にもつながる。



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