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"Love"=「好き」!? “What Is Love?”参考訳を発表!
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2011/06/01 11:33 
(WEBアルコムワールド
 

意外な発見があるかも!? あなたの訳と比較してみよう!


【特別企画】絵本“What Is Love?”を翻訳してみよう」に多数ご参加いただき、誠にありがとうございました。絵本翻訳の奥深さを楽しんでいただけましたでしょうか。


この度の絵本翻訳プロジェクトの監修者である花輪莞爾(はなわ・かんじ)先生からの参考訳と解説をこちらに掲載させていただきます。


あなたの訳と比較してみて、その表現の違いを楽しんでみてください。





<原文(一部抜粋)>


What is Love?


What does love look like?
Is it pink or blue, or does it have stripes and polka dots?


Does Love have a taste?
Does it taste like a juicy orange, or like a chocolate birthday cake?
Does Love taste like green spinach?


What does Love feel like?
Is it warm and furry like a puppy dog?
Or does Love feel freezing cold and tingly like a snow storm in the mountains?


Does Love have a sound?
Does it sound like a little baby laughing, or like a big lion roaring in the zoo?


Does Love have a smell?
Does it smell like cookies baking in the oven, or like a bright red rose in a garden, after the rain has stopped?


Maybe Love is not something you can touch or taste or smell or see or hear.
Maybe you can only feel Love-
Maybe Love is a feeling.


But what kind of feeling?
There are outside feelings, like feeling hot in the summertime, or like feeling your mouth on fire if you eat very spicy food.
Or like feeling the soft, wet nose of a pony.


But those are outside feelings-
Love is an inside feeling.



<参考訳>


「すき」って どういうこと?


「すき」って どんなふうかなあ?
いろは ピンクかな あおかな
それとも しましま なのかな
ぽちぽちが ついてたりして?


「すき」って あじがするのかな?
みかんみたいに あまずっぱい? それとも
チョコレートの おたんじょうびケーキ、
みどりの ほうれんそうの あじかしら。

「すき」って どんなかんじだろ? こいぬみたいに あったかくて ふわふわしてる? それとも やまのふぶきみたいに すごくさむくて ぞくぞくする?


「すき」って どんなおとが するんだろ?
かわいい あかちゃんの わらいごえ
それとも どうぶつえんの ライオンのこえかしら?


「すき」には においがするのかな?
やいてるときの クッキーのにおいそっくり?
それとも あめがやんで にわにさいた
きらきらあかい バラみたいかなあ?


「すき」って どうやら
さわれたり あじがしたり におったり
みえたり きいたり できないものらしいよ
たぶん「すき」は かんじがするだけ
「すき」は そんなきがする だけなんだよ。


でも それって どんなかんじなんだろ?
からだで かんじることもあるよ
なつには あついなとおもうし
ピリっとしたものをたべれば くちがもえるし
こいぬの はなさきの やわらかで ぬれたかんじもあるよ。


でも こういうのは からだがかんじるんだ。
「すき」は こころのなかで かんじることなんだよ。



<解説>


今回原文では、日本人には扱いづらい、「愛」という言葉がキーワードとなっています。私たちは、「Love」=「愛」と考えがちですが、「愛しています」というのはドラマや映画のセリフではいざ知らず、みなさん、実際にお使いになっているでしょうか? ましてや、子どもや幼児はどうでしょう?


少々飛躍しますが、コマーシャルに、「I’m loving it!」というのがありました。 仮にこれを「愛してる!」と訳すと少々無理がありますね。おそらく、「これにハマってる!」くらいのニュアンスが近いかもしれません。「Love」=「好き」のほうが私たち日本人にはしっくりきそうです。


絵本の翻訳に正解はありませんが、子どもや幼児の目線にまでさがって考えることが一番大切で、そのためにはときに意訳も必要でしょう。


原文の中に、「outside feeling」や「inside feeling」のような対句が出てきました。西洋人には心を内側、身体を外側、心は善、肉体は悪と考える伝統があるようです。ここではそこまでの意味を含んでいるかどうかは別にして、日本人には、「肉体(からだ)」と「心(こころ)」に置きかえたほうが分かりやすいのではないでしょうか。


また、「pony」 は日本の子どもになじみがうすいので、参考訳では「こいぬ」に置きかえてみました。


最後になりますが、漢字を多用しないように気をつけましょう。逆に、ひらがなを主に使うよう努めるなら、それにふさわしい大和言葉を多用することになると思います。もちろん、例外もありますが、子どもや幼児にはやさしい大和言葉のほうがすんなりと理解しやすいのです。


こういうふうに訳さなくてはならない、というふうに思うと楽しく訳せませんから、これらはあくまで一つの参考例です。今後も機会があれば自分らしい文で翻訳を楽しんでいただけたらと思います。



花輪莞爾(はなわ・かんじ)
翻訳家、作家。國學院大學文学部名誉教授。芥川賞候補二回。
主な訳書に『海底二万海里』『禁じられた遊ぴ』(ともに角川文庫)など多数。



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ブラボー(6

この記事へのコメント(4)

みるきぃ
2011/06/02 15:03
すばらしい翻訳をありがとうございました。ponyを子犬に置き換えたりしてもいいんですね。
we'll
2011/06/06 14:00
なるほど。愛って確かに「好き」ですね・・・。
子供に何かを教えようとするのではなく、寄り添うことが大切なんですね。
しのたん
2011/06/24 00:39
いえ、私はあえて「愛」でいいです。
子どもにとって不可解な「愛」だからこそ、「なに?」と不思議になっちゃう。


たしかに、Loveの捉え方が、日本とは違うので、真っ向勝負でなんでもかんでも「愛」と訳するのはどうかと思うけれど、今回は「愛」を支持します。

ただ、愛にすると訳し方がかなり変わってきますよね。

いろいろ考えれておもしろかったです。
この企画、またお願いします。

ロザリオ
2011/10/30 13:06
polka dots・・・ぽちぽち

なるほど!
こういう感性が翻訳には大事なのですね~♪
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